[シーア派の宗教儀式アシュラ]
[サファアに会ってきた]
[厚顔無礼な米厚生省役人] [白血病のアブドゥール君◆] [血のアシュラ] [血のアシュラ(続報)] [血のアシュラ(続報2)] [砂漠のマッシュルーム「カマ」] [オムカッスル刑務所◆] [ムスタファの村、再び] [TVカメラマンが米軍に拘束] [爆撃されたアル・ナクワ地区◆] [サマワルポ] [バスラのアリババ市] [ツワイサの原子炉] [林立するパラボラアンテナ] [サドルシティーで米軍と住民が衝突] [帰国しました] |
3月21日 | |
アブドゥール・ラフマン君も玄関に出てきたがすぐに引っ込んでしたまった。 具合を訪ねると「食欲が無く、顔色も悪い。 髪の毛が抜けることをとても気にしていて、神経質になっている」と叔父のアブダルさんが説明してくれた。 今飲んでいる薬はとても強い薬で副作用も強いらしい。 子ども心にも、髪の毛が無くなることで自分がどんな病気に掛かっているのかわかっているらしい。 結局私が帰るまで、姿を見せなかった。写真を撮られるのがイヤだったようだ。 アブダルさんにお願いして、戦争中アブドゥール君が住んでいたアル・ナクワ地区の家に連れていってもらうことにした。 アブドゥール君が白血病になってから、思い当たる節があって、両親はニューバグダッドの母親の実家に引っ越してきた。 それは戦争中アル・ナクワ地区にたくさんの爆弾が投下され、 その爆弾が劣化ウランや有毒物質を含んでいたのではないか?そのために、 アブドゥール君が白血病になったと思っているのである。 その真偽は定かではないが、爆撃された現場に連れていってもらうことが今回の訪問の目的だった。 バグダッドの西、バグダッド国際空港に近いその場所は近くに、 サダムの宮殿や息子クサイの軍事組織の戦闘司令部が置かれ、米軍に徹底的に破壊された地区だった。 現在は米軍が空港を占拠し占領支配の拠点になっている。 その一角にイラクでは珍しい集合住宅のアパートが建ち並んでいた。 ちょうど60,70年代にたてられた日本の集合住宅に似ている。 ここは元内務相や大統領警護隊などの職員が国から住宅を与えられ住んでいたらしい。 その一角にアブドゥール君のアパートはあった。 お母さんのアハラム(28)さんは私が持っていた放射線測定器でこのあたりを測ってくれと言うので、 測定してみたが異常値は出なかった。アハラムさんに「大丈夫、汚染はされていないよ」と言っても何か不安そうな目つきだった。 我が子の病気の原因をはっきりさせたいと思う親心が切々と伝わってくる。 ブラッドレー戦車が砂埃を巻き上げながら猛スピードで基地内から出てきた。 あの、ブラッドレー戦車も劣化ウラン弾を使っている。 近くには破壊されず残されたイラク軍戦車が放置され子供たちが登って遊んでいた。 手にはコカコーラの缶を持っていた。誰にもらったのと聞くと、米兵にもらったと言っていた。 戦争前にはコカコーラはイラクにはなかった。コーラと言えばペプシが代名詞になっていたのに。 | |
日本時間 3/22 16:31着信 |
このサイトの写真・文章の著作権は、森住卓に属します。無断での二次利用を禁じます。 |
Copyright Takashi Morizumi |