◆写真展の報告◆ 東京都立大学(1/30、2/3)長谷川 宏さんより

先日の写真展は2日間で200人近い(組合の催し物としては記録的な)大勢の方々にご来場いただき、皆さん非常に熱心にご覧くださって、100人以上の方々がアンケートにご回答くださいました。
私の友人がボランティア団体を立ち上げてブラジルのファベーラ(貧民街)にエイズ孤児のための孤児院を作り運営したり、エイズ教育や自然な出産のための活動を行ってきました。その友人の精神的な師であり、同じくブラジルのファベーラでシュタイナー教育の精神に基づいて子供たちの教育や保険・医療などの活動を行ってきたウテ・クレーマーさんという方が来日され、全国で講演されました。
2月3日ハードなスケジュールの合間を縫って写真展にご来場くださり、大変熱心にご覧くださいました。以下にウテさんと友人のアンケートのご回答を貼り付けます。

★ウテさん:
Very important!
Should be shown on public places (subway) and also in U.S.A.

★友人:
日本でも市民社会の力がもっともっと強くなるように、このような展示企画をどんどんひろげていただきたいです。

また、都立大の米国人の同僚(彼女は対アフガン戦争にも"absolutley against"と言っていた反戦、反ブッシュの人です)が書いてくれたアンケートもご紹介します。

★In addition to stopping this war, there needs to be amovement to make the use of depleted uranium & allradioactive materials illegal for use in any conflict,as is the case with gas.
I wish this exhibition could be mounted in the White House.
Thank you for providing the photographs with English &Japanese Captions and making it accessible to a largeraudience.
(この戦争を阻止することに加えて、毒ガスと同様劣化ウランやすべての放射性物質のあらゆる紛争における使用を非合法化する運動が必要です。この写真展をホワイトハウスで開催できたらいいのに。写真に英語と日本語のキャプションを付けてより多くの来場者が理解できるようにしてくださったことに感謝します。)

その他の皆様の感想から(一部)

劣化ウランや、ベトナム戦争時代枯葉剤をまいた米国が“悪の枢軸”を非難できるのでしょうか。ベトナム・ホーチミンの養護施設を訪ねたとき、「土壌・野菜にはダイオキシンの影響は消えました。ただひとつ残っているのは、人間の遺伝子の中なのです」という説明がありました。劣化ウランも戦争後に生まれた子どもたちに影響しています。今の日本の動き方に対しては、非常に怒りを感じています。憲法9条のすばらしさ、9条を実践してほしいと願っています。(職員)

イラクでもこんなことが!というのが私の率直な気持ちです。私は、以前ベトナムの枯葉剤について調べたことがあります。無脳症の子、指が3本しかない子など多くの奇形児が生まれています。このようなことが2度と起こってはならない!これから行われようとしているアメリカのイラク攻撃も絶対に起こしてはならない!アメリカのマネーゲームを私たちが阻止しなければいけない、と思いました。(学生)

戦争の被害者は常に一般市民である、ということを再び思った。罪もない赤ちゃんが核爆弾の影響で死亡する状況や、病気の子どもをただ見守ることしかできない親の心境を考えると、本当に言葉もでない。今、アメリカはイラク攻撃の準備を進めているが、絶対に許してはならないと固く思った。悲惨な中でも子どもたちが笑顔を絶やさないことに、希望がもてた。(学外)

「無脳症」という病気を初めて知った。信じられない映像だった。湾岸戦争が残した後遺症は、あまりにも無惨である。今回展示されているのは、イラク側にいた人々だったが、湾岸戦争で戦った米兵の中にも、こういった症状をもつことになった人がいると聞く。核の恐ろしさを紙面でしか知らなかった私は、まざまざと見せつけられた。今、同じことの繰り返しが起こるかもしれないという現状の中で、確かに私の心に強いパンチが入った。(学生)

病気の子どもたちの姿はあまりにも痛ましい。米軍はそれでもウラン弾を使ったのか、広島の原爆の跡地の調査で、未来の人々をもまきこむその恐ろしい威力はわかっているはずなのに…。(学生)

この春から、難民問題等を抱える貧困地域の経済復興について研究しようと大学院進学する予定です。今回の写真展を見て、早急な問題解決の必要性を強く感じました。私に何ができるのか、もどかしい想いもしました。(学生)

覚悟をきめて見にきたのですが、やはり相当衝撃をうけました。もっと世の中の人は知るべきです。そしてこんな状態の中でも、とびきりの笑顔、いきいきした表情の子どもたち。どうしてあんなふうに笑えるのでしょう。これ以上、人が死ぬことをふやしたくない。何としてでも戦争は起きてほしくないです。この写真集をおくられたアメリカの議員たちは、心にひびかなかったのでしょうか。(学外)

日本人は報道されることのみを真実と考え、自ら真実を追求する努力をあまりにもしていないと思います。アメリカの正義をふりかざし、戦争を起こそうとするブッシュには、あまりにも生命への尊敬がなさすぎます。この戦争のなりゆきをただ傍観する人もまた同じ罪でしょう。私も積極的に今日のことを人に語り、何かをしようと思います。(学外)

イラクの現状を知ることができた。私たち日本人は被爆国として、戦争には断固反対していくべきだ。国のための戦争ではなくて、民衆のための行動が必要だ。(学外)

こういう企画があることで、小さな動きが起こり、やがて大きなmovement になって世界を変えていけるのだと思う。自分も今後、その「小さな動き」の一部になりたいです。(学生)

今こそ世界中が思想・信条・民族を越えて、反アメリカニズムに立ち上がるべきだ。60年前反ファシズムに立ち上がったように。(教員)

人の命を奪っていい権利など、どの国にも、誰にもない。フセインにも、ブッシュにもない。イラク人にも、アメリカ人にも、イギリス人にも、北朝鮮人にも、日本人にもない。そのことを理解すれば、いや理解しなければ、戦争はなくならない。(学生)

「戦争というのは、どんな理由があるにせよ、その行為自体が“悪”である」ということを考えた。(学生)

反米・反戦報道が全くされていない日本なので、“事実”を伝える今回のような企画を継続されたい。(学生)

 

森住卓写真展TOPページへ