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イラクレポート 2002〜2003 #17

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バグダッドの今


------★ 衛星携帯電話によるレポート  (日本時間 2003.4.17 午前0:00受)
 バグダッド市内には、アメリカ軍が完全に制圧したところと、全く手をつけていないところがあり、 手をつけていないところでは略奪をする者と略奪を防ごうとする者との間で銃撃戦が行われている。 しかし、アメリカ軍は全く取り締まろうとしていない。 特に夜になるといたるところで銃撃戦の音が聞こえる。

 フェダーイン・サダムのメンバー達が政府機関、病院などに押し入り、 略奪し火をつけ、病院のスタッフなどとの間で銃撃戦を繰り返している。 病院には銃撃戦の被害者達が毎日たくさん運び込まれているが 病院そのものが略奪の被害にあっているため、機能していない。

 市内にはキリスト教系の病院があるが、ここはアメリカ軍によって守られているが、 他のイラクの公立病院には全く警備が行われていない。 また、赤十字の病院は守られているが、赤新月社の病院はほったらかしである。 医者も身の安全のため、出勤することを恐れている。

 とにかく、イラクに今一番必要なのは薬よりも「安全」である。

 ほとんどの政府機関が略奪を受けているが、唯一、石油省は無傷である。 アメリカ軍が厳重に警備しているからだ。アメリカはここには空爆もせず略奪も行われない。 今回の攻撃の真の目的が何であるかを、この事実は象徴的に示している。

 明後日、バスラに向かう。


------★ 衛星携帯電話によるレポート  (日本時間 2003.4.18 午前0:00受)
 バグダッドはそれでもだんだん落ち着きを取り戻してきているようだ。 市場も開かれて野菜や果物が売られていた。 フェダーイン・サダムのメンバーが後ろ手に縛られて米軍に連行されていくところを目撃した。 亡くなった人たちの死体を埋めている現場にも出会うことができた。 あたりには腐臭が漂っていた。

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